学習者機とは、ITを駆使した授業において、生徒が使用する情報端末のことを指します。生徒はこの端末を利用して学習を行います。反対に、先生が指導するために使う端末を教員機と言います。教師はこの端末を利用して、生徒に問題や課題を与えます。生徒は先生から問題などを自分の端末から受け取り、これを解答したり質問するなどして学習を深めます。これらのやり取りを行う一連の作業で、学習者機と教員機は必要不可欠なものです。
一般的には指定された教室で集まり授業を行います。しかし、近年では無線LANを活用して自宅での授業も受けることができます。遠方や家庭の事情で教室に行くことが難しい生徒たちのために、インターネットを介した授業も整備が進んでいます。また、無線LANを活用することによって授業外の連絡や緊急時の対処などを先生が迅速にできるというメリットがあります。さらに、インターネットを介しているため、自宅だけではなくほかの場所からもつながることができます。
しかし、子どもが取り巻くインターネット環境には多くの問題があります。最近では、SNSを利用したいじめ問題や嫌がらせなどがメディアによって報道されています。また、インターネットを介した授業ではセキュリティ面での懸念があり、個人情報などが容易に漏れてしまう危険性があります。また、子どもの興味本位でのクリックなどでさまざまなトラブルを引き起こしています。こうしたデメリットを受け、無線LANでの授業に反対する親や研究者もいます。
学習者機と教員機をつなげることで、効果的な学習が期待されます。しかし、インターネットを介した授業では子どもがトラブルに巻き込まれる可能性を広げてしまいます。こうしたメリットとデメリットで悩む教育者や親が多くなっています。ITを駆使した授業を行う場合は、子どもに授業で教わることだけではなく、情報倫理も教える必要があります。また、インターネットを楽しむときと、集中して学習するときのメリハリをつけることも大切です。
16JUL 2016

